今夜、色のない君と。



ここの店は秋野さんしか店員がいないから、何から何まで全て秋野さんが仕事をしている。


この間、「バイトしたいです」って秋野さんに言ったら、「人件費がかかるから嫌だ」とはっきり断られた。



自分の仕事量よりも人件費が優先だそうだ。



「秋野さーん。レジお願いしまーす」



“業務口”と書かれた扉に向かって言うと、しばらくしてから秋野さんが出てきた。



「はいはい。お待たせ。……ってまたこんなに買うのかい?」


「はい。全部面白そうなので」


「まあこちらとしては有難いけど…。読む暇ある?仮にも今受験生なんでしょ?」


「……まあ」