今夜、色のない君と。




「それでね、僕の友人が花夜ちゃん会ってみたいって。ちょうどいい機会だし、ガイドブックに書いてあったアレを試してみようかなと思ったってわけ」



たしかにそれは……秋野さんのご友人が花夜に興味を持つのも当たり前だし、ガイドブックの信用性も確かめるチャンスだとは思う。



だけど……



「もし、失敗したら…?花夜を陽の光に当てないように気をつけても、そんなの関係なく花夜が倒れたら……そう考えるとすごく……それを試すにはリスクが大きすぎる…気がします」



花夜にはたくさん色々なことを経験してもらいたい。


だけどそれ以上に……危険な目にはあわせたくない。



僕がそう言うと、秋野さんはウンウンと大きく頷きながら僕に同意した。



「緒都くん、わかる、わかるよ。花夜ちゃんを外に出すことでどんな風に危険が迫るのか、それは誰にもわからない。ただね、このままずっとここにいる訳にもいかない。
この狭い本屋で、何年も何年も花夜ちゃんを閉じ込めておくつもりかい?
花夜ちゃんのこの容姿や弱点……人間の世界で生きていけることがわかれば、花夜ちゃんも嬉しいだろうし…僕も嬉しい。

緒都くんは…?」



真っ直ぐに見つめてくる秋野さんの瞳を見て、僕は言った。



「嬉しいです……すごく」