今夜、色のない君と。




店の奥まで行くとレジがあり、



そのレジの奥には“業務口”と書かれた扉がひとつある。



一軒家といってもここの敷地はけっこう広いのだ。



───ガチャ



「…お、やっぱり君か。鈴が鳴ったから誰かお客が来たと思ったんだが」


「僕以外ここ利用する人いるんですか」



業務口から出てきたその人は、この文聖堂の店長の、秋野さんだ。



頭は白髪で、カーネル・サン○ースみたいな髭を生やしている。



歳は60そこそこだろう。



よれよれのワイシャツによれよれのジーパンを着て、


その上に文聖堂と書かれた茶色いエプロンをしている、とても優しそうなおじいさんだ。



外見だけじゃなくて、実際すごく優しいんだけど。