それから10分ぐらい、僕達は考えていた。


…古川 美代子(ふるかわ みよこ)。



その小説家の作品が他にもないか店の中を探してみたけど、見つからなかったし、



携帯で調べてみても、プロフィールぐらいしか出てこなかった。



「ここまで調べてプロフィールしかわからないというと、マイナーな小説家なんでしょうか」


「んー……この人のこの2つの小説は惹き込まれる人が多いと思うんだよねぇ。登場人物のキャラ設定とか世界観、話の内容もラブストーリーで、一方はファンタジーよりだから、ファンもそれなりにいると思うなぁ」


「…まあ、年齢的にまだ生きてる可能性は十分にあると思いますけど…」



僕は携帯の画面に映っている古川 美代子のプロフィールを見ながら言った。