*** 昨日の約束通り、僕は放課後、光世を振り払いながら電車に乗って文聖堂にやって来た。 「緒都くん緒都くん」 僕が本を試し読みしていると、業務部屋から秋野さんが出てきた。 もちろんお出かけの格好で。 「はい?」 「これさ、昨日友人に貰ったんだよ」 そう言って渡されたのは、スーパーやコンビニで売っているような手持ちの花火だった。 それも大増量と書いてある。 「…花火?」 「そそ。出かけ先で昔の友人に会ってね。僕はやらないから緒都くんにあげる」 僕もやらないんだけどな…。