そのあとは呆気ないものだった。

ケータイの液晶画面には起動すればまっさらなロック画面。

今日の朝は「おはよう」を言っても誰も返ってこなかった。

その時点でたぶん自覚していた。
あ、もうダメなんだって。

何がいけなかったなんて分からない。

知ったのは、本物なんて無かったってこと。

中学最初からの友達?笑わせないで。
きっと、ずっと"偽り"だったんだ。なにもかも。

一緒に話したあの日常も。
一緒に笑ったあの時間も。
全部私だけだったってことでしょ?

もう、要らないの。"偽り"なんて。


あとから知った。

美和達は私のことを影で悪口を言っていたこと。
男をとっかえひっかえしていたっていうのは美和が流した噂だってこと。まぁそれも定かではないけれど。
私の周りから消えたという事はそういうことなのだろう。

友達は"友達"ではなかった。

それだけが私の胸に刺さってずっと取れないまま、止まることの無い血を流している。