さて、僕達の平穏のためにはあの二人を
どうにかしなくちゃならない。

父さんにも協力してもらおう。

そう思って、スマホを手に取った。

電話に出たのは父さんじゃなかったけど。

「〈景道は今、
風呂に入っていてるんだ〉」

僕はすぐにわかった。

『〈父さんの恋人さんですね?〉』 

「〈よくわかったな、
景道の恋人で卯城一正、刑事だ。

なんか用があったんだろう?〉」

なるほど、恋人さんが頑張ってくれたって
言ってたのはそういうことだったのか。

刑事の恋人なんて
何処で知り合ったんだろうか?

今はそのことは置いておこう。

『〈あの二人と決着を
つけたいと思いまして〉』

いい加減、ゆっくり落ち着きたい。

馬鹿な人達の馬鹿なことに何時までも
付き合ってられる程暇じゃないからね。

「〈成る程〉」

僕の言葉に納得してくれたらしい。

その後、お風呂から出た父さんに代わった。

くすくす、さてどうしようか? 

僕は普段、“優しい”とか“温厚”とか
プラスのイメージを持たれることが多いけど
だからこそ、キレると手がつけられない。

“大人しい人程キレると怖い”ってやつだね(クスッ)

大事な恋人の心を傷つけられたからには
それ相応のお返しをしなきゃいけないよね?

相手が誰でもあろうと関係ない。

物的証拠がないから何とも言えないけど
さっさと決着をつけたい。

やっぱり、ここは
“目には目を、歯には歯を”

精神的ダメージを与えてあげなきゃね。

さて、どうしようかな……