「さむ…」 下駄箱で上靴に履きかえ、3階にある教室の中に入ると、室内の気温は外と同じ。 教室の電気を点けるのと一緒に、暖房のスイッチも入れた。 クラスの誰よりも早くに教室に来て、外で寒い中、生徒を出迎えてる佐伯先生のために暖房をつける。 それが、こんなに早くから学校に来ている理由。 「…早く暖まらないかなぁ」 自分の机に鞄を置くと、暖房の風がいちばんあたる場所に行く… のではなくー… 正門が見える窓際に立つ。