「あら、今日は一段と早いわね」


部屋で制服に着替え、1階にあるリビングへ降りると暖房が効いていて暖かった。



「寒くて起きちゃった」

「暖房つければいいのに。風邪ひくわよ」


お母さんはそう言いながら、台所で朝食の準備をしている。


「…寒いの好きだから」


ダイニングテーブルに座り、テーブルの上に置かれたホットミルクを飲んだ。


「変わってるのねー。女の子は身体冷やすと、良くないわよ?」


背を向けたまま、お母さんは言った。



…知ってる。



けどきっと。佐伯先生は今日も正門の前で立っている。


昨日よりも寒くても、雪が舞っていても、きっといつものように¨おはよう¨と元気に挨拶をしてくれる。




同じように私も、寒くいる必要がないかもしれないけど、そこは好きになった人のこと。




同じ気持ちを感じていたい。