ひなたの入院している病院を聞き、その日の夜直接話を聞きに行った。

ひなたは既に記憶を無くしている部分があり、いずれ僕の記憶も消え失せるそうだ。

ただ僕との記憶は、ひなたの中でも強く残っているそうで、すぐには消えないらしい。

「あの、ひなたのお母さん。僕も定期的にお見舞い来てもいいですか。」

「…ううん」
「えっ」

予想外の返答に、思わず本音の声が漏れる。

「ようくん、ひなたの恋人として、ひなたを幸せにしてくれて本当にありがとう」

僕はすぐに分かった。いまから彼女の言うことは、絶対に、いい事ではない。

「でも」

でも…。でも、なんだろう。

ひなたのお母さんは一息ついて、

「ひなたとはもう、終わりにして欲しい」


そう、言った。