12月の春、白い桜が降る。

表紙には大きく『勇気』と書かれており、中学の校舎が映されている。

一ページ目を開くと、中学の頃の先生の一覧表が並んでおり、

なつかし、と声に出しながらページをめくる。自分のクラスページを見ると、

そこにはひなたの姿はなかった。

僕が三年二組だったのに対し、三年四組のページに彼女を見つける。

今とは違い、髪は長く、この頃はメイクも全くしていないけれどはるの面影はそのままだった。

しかし、卒業アルバムを眺めても、やっぱり、彼女との記憶が鮮明に戻ってくることは無かった。