12月の春、白い桜が降る。

か細い声で僕はごちそうさま、と言い食器を流し場に下げた。

部屋に戻ってからしばらくして、ふと、卒業アルバムを見ることを思いついた。

過去の彼女を見れば、なにか思い出すかもしれない。

確かクローゼットの奥底に閉まってあったと記憶を探りながら卒業アルバムを探し、

まだ差ほど汚れていない、比較的綺麗な分厚い本のようなものを手に取る。

(あった、これだ)