そんな僕に気がついたのか、古谷先輩も僕を見て、

｢なんで、そいつなんだよ…｣

と呟いた。
古谷先輩から見たらそう思うのも無理はない。

明らかに古谷先輩より劣っている僕は、誰が見ても、
その綺麗なひなたには似合わないことはわかる。

｢…私はようしか好きじゃないんです。よう
を好きになったんです。本当にごめんなさい。
だけど…こんなこと、もう二度とやめてください｣

ひなたの古谷先輩に向けるその言葉に、僕はドキドキしていた。

帰り道、ひなたは色々考え込んだ表情をしていた。

大丈夫？と聞くとひなたはさっきよりも落ち着いた声で大丈夫だよ、と言って僕の手を強く握りしめた。

ひなたの体の熱が、掌から僕に伝わってくる。