12月の春、白い桜が降る。

夕日も沈みかけて、当たりはすっかり暗くなってきてしまった。

仕方なく帰ろうとした時に、通り過ぎた階段の前で、私は止まった。

車椅子から降りて、手すりに全身の体重をかけてゆっくり一段ずつ上った。



保証はない。

この上に、あの公園があるということも、あの人が、もしかしたら、あの人がいるかもしれないという保証は、全くもってなかった。

ただ保証はないけど、微かに期待はしていたのかもしれない。
















「えっ。」