12月の春、白い桜が降る。

次の日から、だんだんとまた少しずつ記憶から思い出や、周りの人が消えていった。

家族のことを忘れてしまったのも、それから間もなくで、今では家族との思い出は何一つどころか、
昨日あった出来事ですら覚えていなかった。

私はだんだんとそれに違和感を無くし始め、毎日を真新しい一日として始めることとしていた。

そしてついには自分の名前や顔も忘れ、名前を呼ばれても対応できなくなった。

そんな事が普通の人からしたらおかしいのかもしれない。

でも今の私には、どれが正しくてどれが間違っているのかの区別なんてつけられなかった。



私は、なんのために生きているんだろう。