とりあえず今日は帰り、次の日に結果を伝えるように言われた。

家に帰ってから速攻、私は急に不安と疲れを感じ、すぐに部屋に引きこもった。

私には二個下の弟、春人(はると)がいる。

二つしか違わないのに、彼にはここ一年、苦労をさせてしまっている。

私が病気になってからというもの、母も父も明らかに私の方へ優しさを仕向けた。

もちろん、弟に厳しくなった訳でもない。

ただ、何かと私を優先させることが多くなった。

小さなことや、些細なことがほとんどだ。

そして時折、両親が春斗に「はるが困っていたら、すぐに助けてあげて」と言っているのを、自分の部屋から耳にする。

その言葉を聞く度、辛かった。

春斗に、無理をさせてしまっている。

春斗は、私が病気だということがわかっている、仕方の無いことだとわかっているのだ。

だから春斗は、私にとても優しくした。

もともと春斗が優しいのは知っている。

お姉ちゃん、アイス一緒に食べよう、と私の分まで買ってきてくれる。

高一の冬テストの時、部屋で夜中まで勉強していて机で寝てしまった私に毛布をかけてくれた。

この前も、二人で映画を見に行った時、私の見たい物にしてくれた。

受験勉強もしながらで大変な中、
春斗のその優しさの一つ一つが、弟に気を使わせていることが、

余計に辛かった。