古谷先輩の言葉には幻滅しても幻滅しきれない。

古谷先輩にようのなにがわかるっていうの、ようはほんとにいい人なんだから、
古谷先輩とは比べ物にならないぐらい…。

やっぱり、古谷先輩があんな酷いことをするなんて、未だに実感がわかない。

でも、もしかしたら私が元々は優しかった古谷先輩を変えてしまったのかもしれない。

いろんな考えが、余計混乱させる。

「大丈夫?…」

ふと横からようが心配そうな顔をしてこっちを覗き込んでくる。

「うん、ごめん。大丈夫」

今日は私の方からようの手を強く握った。