「もしもし?」

「よう急にごめん、私今ストーカーされてるの…。」

「え、嘘、ほんとに…?」

「どうしよう、近くに交番もないし、ここ人通り少なくて、私、ほんとにどうしたらいいのわかんない…」

恐怖で声が震える。

「とりあえず、そっちにすぐに向かうから、なるべく人通りの多い方へ移動して」

私はようの言う通りにここよりもう少し大通りになった場所へ移動した。

気が付かれないようにそっと後ろを振り向くと、そこにはまだ例の人がいる。

イヤホンをつけだし、ストーカーだとバレないように振舞っているようだ。

「ひなた!」
十分ぐらいしてようがここまでついたと同時に、その人はいなくなった。

ようがついて顔を見た瞬間、安心と恐怖が入り交じって泣きそうになった。

ようは落ち着いた声で、警察へ行こう、と誘導してくれた。