12月。

相変わらずプレゼントは見つからない。

それどころか、仁とギクシャクして会うことすらままならない。

「…何やってんだか」

今日は独りで、プレゼント探し。

友美は仕事のため残業なのだ。

プレゼントを見つけたところで、こんな状態で渡すことすら無理かもしれない。


その時だった。私の目に一つの商品が目に飛び込んできた。

「…これ、仁にぴったり」

とある仕事中、仁が壊れたと言って、困ってたのを今頃思い出したのだ。

「この世で一番欲しいものを…これなのかわかんないけど」

仕事をする上では欠かせないものだし、肌身離さず着けておくものだし、これを見たら、私を思い出してほしい。

…これで、プレゼントは決まった。

店員さんに、クリスマスプレゼント用のラッピングをしてもらって、小さな紙袋に入れてもらうと、ニコニコで、帰宅。

「…楓ちゃん?」

駅近くで、声をかけられた。

「…三神君」

三神君はまだ仕事中らしく、降車駅も同じことで、一緒に行くことになった。