「三神、和美さんは任せた」
「はあ?!」

未だに思い出せないでいる三神君に、和美を押しつけると、仁は不機嫌な顔のまま、私の手を痛いくらいに掴み、その場を後にした。

「痛い痛い!仁離して」
「うるさい!」

「なっ?!」
「周りが見てる。黙ってろ」

その言葉にハッとする。確かに好奇の眼差しに晒されている。私は真一文字に口をつぐみ、仁についていくしかなかった。

…着いた所は仁の部屋。

中に入るなり、ソファーにドンと、座らされた。

そして、上から押さえられて萎縮する。

「な、何するの?!」
「誰が誰と付き合ってるって?」

仁の目は、凄く怒っている。

「スッゴク仲良くしてたじゃない…みんなだってそうだろうって」

いいはじめると、溜まっていたものが溢れだした。

「…楓」
「私なんかより…あの人の方が」

そこまで言いかけたが、それ以上仁は言わせんばかりに私をきつく抱き締めた。

「あんな女、眼中にねぇ」
「鼻の下伸びてた」

「バカ、あの人は、三神の事で俺に相談してただけだ」
「…」

「俺が信じられねぇのか?」

その言葉に首を降る。

和美のあの態度を見れば尚更だ。

「俺を信じなかった罰として、クリスマスプレゼント用意しろ」

「…は?」

今は10月。まだまだ先だ。

「わかったな?」
「何バカな事、」

そこまで言って、仁に口を塞がれた。

「契約成立」

…強引なやつ。