俺は普通の男子高校生だ。


公立高校に通い、制服を校則の通りに着る。


気崩したことなんて1度もない。


身長170cm

体重60kg


ごくごく普通の男子高校生。


ちょっと人と違うのは顔だ。


狭いおでこには普通より多いニキビ。

重い一重まぶたで目も細い。

太い眉毛に低い鼻。

その鼻は穴が無駄に大きい。

唇は薄いが鼻で台無しだ。

輪郭もだらしない体格のせいで

丸みを帯びている。


幸いに体毛は薄い体質らしく

髭は生えてない。


しかも髪はストレートだ。


ダメなのは顔だけ。


朝起きてとりあえずため息をつく。


学校に行くのが憂鬱だ。


騒がしくて嫌になる。


嫌々体を起こしベッドの淵に座る。


「いの!!起きろ!!!」


いきなりドアが開き体が強ばる。


一個下の妹、依音(いお)だ。


「うるさい…起きてるし」


依音は何回か瞬きし、無言で扉を閉めた。


きっと俺が早く起きてびっくりしてるんだろう。


制服に着替えてリビングに行こう…


重い体を無理やり動かしクローゼットの前に立つ


制服を取り出し着替えて全身鏡越しに自分を見れば、いつもの死んだ顔をした俺が映る


「イケメンだったらな…」


彼女できたのに、と言いそうになり


急に虚しくなった。


無駄なこと考えずリビングに行こうと部屋から出る