……そう、私にはこの外見と肩書きしかない。
茶道、華道、書道、弓道、ピアノ、和食づくり。
小さい頃から厳しく強要されてきた、習い事。
これも、両親が私に施した『外面づくり』。
内面なんか、ありゃしない。
だって、小さい頃からこんなことしかやってこなかったんだから。
友だちとだって満足に遊んだことはないし、自然に触れて遊んだこともない。
バーベキューだって、キャンプだって、川遊びだって、これからも憧れで終わってしまうんだろう。
……なにも、考えなかった。
楽しいとか、嬉しいとか。
出来た達成感とか、なーんにも。
だから私はあまり『感情』を知らない。
もちろん恋なんかしたことがない。
ただやらされてただけの毎日。
高校生になった今だって、何にも変わってない。
……私はこのまま親が作ったレールの上を歩いていくの?
ねえ、誰か教えてよ……

