私はくるっと体の向きを変えて、赤城竜から紅茶へと視線を移す。
「いただきます。」
今日紅茶を入れてくれたのはメガネ男子。名前は……
?
あっ、紅茶おいしい……
このメガネ……紅茶入れるの……うまい……っと。
よし、脳内メモに書き込み完了しました。
「ありがとう、とても美味しいわ。」
私はふわりと優しくメガネ男子に笑いかける。
「あっっありがとうございます!!」
その瞬間、メガネ男子の顔がリンゴになり、リンゴが転がるように教室から出て行った。
……逃げなくてもいいじゃんね。
せっかく笑顔の練習してるんだから、見とれてくれなきゃ困る。
__とか思ってる自分にも吐き気がする。

