「な~に~?別にほんとのこと言っただけだもんっ」



「どこが本当のことなんだよ。あれはお前が全部悪かっただろ」



「そんなことなかった~!!」



私は夜草凛と女子の会話の声にハッとして、二人から目をそらした。



……いけない、いけない。
あんまりじっと見てると怪しく思われてしまう。



私は気を取り直して髪を耳にかけ、読書を始める。




「__いい加減にしろよ。ったく水月はいつも……」



「なによ~!凛だって意地悪じゃん!」



「はぁ?お前がうっとおしいだけだ」



「ひっど!!!」



…………ダメだ。
一度聞いてしまった会話は、どうしても耳に入ってきてしまう。



私は目の前の文面に全く集中できないまま、ただただ文字を見つめる。



「わーったよ。飯つくりにいきゃいいんだろ。今日な」



え。



「やった~!ありがと凛っ」



確かに仲がいいのは見ていれば分かるけど、ご飯を来させるほどの仲だとは……



私は夜草凛と話している女子に、ちらっと目線を移した。