「ちょっと聞いたよ。」

「明日、公開プロポーズをするらしいじゃない。」

「何、面白いことやってるの?」

「いつ頃します?
俺、ビデオ持って駆けつけます!」

「だったらいっそう、お遊戯室でやっちゃう?!」

四人とコウ君、咲ちゃんの耳に入った情報は

先生をからかうネタとして、職員室の話題の中心となった。

「アホ、保育中だ!
来たらクビだからな!!」

コウ君達を威嚇する先生に

「あれっ?
まだ副園長にならない悠人君が、何言ってるのかなぁ~。
だったら俺がビデオを撮ろう!」

「うるせえ。
絶対に撮るな!!」

「だって保育の様子を撮影したいからなぁ。
丁度明日は職員会議だから
みんなでビデオを見て反省会をしたらいいねぇ!」って。

園長先生の提案に、先生達もおおはしゃぎ。

「……………でも先生……。」と、口を挟んだのは主任先生。

先生に助け船を出してくれたのかと思っていたら。

「ビデオはあった方が良いですよ。
披露宴で流すビデオのネタになりますから。
子供たちの前でプロポーズなんて微笑ましいエピソード
中々ないですもん。」って。

これには先生もガッカリ。

ここに先生の味方はいないみたい。

「ねぇ、唯ちゃんはどうしたい?」

急にフラれて戸惑っていたら

バツ印を出す先生と目があった。