「えっ!?…………………聞いてた?」

みんなの支線に耐えられなくなった尋ちゃんは

和也さんに抱きついて、顔を隠す。

………………可愛い。

ホントに和也さんの事が、大好きなんだなぁ。

ホントは………………

和也さんの事、心から信じてなかったの。

別に、和也さんの事を嫌っていた訳じゃないよ。

……………………もしかしたら…………

ヤキモチだったのかも。

家族に、あれだけ反発していた尋ちゃんが

和也さんには、絶対的な信頼をよせていたから。

大人の力で………

騙して丸め込んでいるのかも。って疑ってた。

だって、そうでも思わないと…………

悔しいんだもん。

小さい頃から、ずっと一緒だったのに。

…………………………でも

今、尋ちゃんから聞いて分かった。

先生と唯の関係と……………一緒だったんだね。

唯があれほど、家族を大切だと思っていたし

今でも…………変わらない気持ちなのに…………

先生への思いは特別なんだもん。

片思いをしていた頃と変わらず…………ドキドキするのに。

先生がいないと……………不安で淋しくて…………涙が出る。

でも、先生さえ隣で笑ってくれたら………

どんな大変な事でも………頑張れるような気がするの。

朝起きて、一番に『おはよう』が言えることが幸せで……

電話をするだけで緊張していた一年前には、考えられない事だもん。

唯と先生も…………

いつの間にか、二人でいることが自然になってた………………。