「「「明けましておめでとう!」」」

「「「婚約もおめでとう!」」」

結局みんなに用意をお願いして、唯は先生の膝で待ってたの。

イチゴのショートケーキとお揃いのカップに入ったミルクティー。

先生にも、甘くないチーズケーキとコーヒーが

バレンタインに贈ったカップに入ってる。

慣れ親しんだみんなには、何も伝えなくても

ちゃんといつもと同じ物が用意される。

この当たり前が…………自分の居場所なんだろうなぁ。

恋人でも夫婦でも、家族でも。

友人だってそう。

これが、空気のような関係っていうんだよね。

唯の家族は、違ってた。

お互いがお互いを、必要以上に意識して

常に『自分を見て』とアピールしていたような気がする。

『苦しい』『淋しい』『辛い』って…………。

これは、唯と尋ちゃんだけじゃなくて

大人の、お父さんやお母さんも同じだった。

子供だった私達は、気づけなかったけど……。

せめて、夫婦で気づけていれば………

こんな結果に…………………

あっ!!

色々あって、考えないようにしてたけど………

園長先生にも、みんなにも………

お父さんの女の人が、迷惑をかけた事謝ってない!