「寒かったでしょ?暖まって。
美香ちゃん、コーヒーとミルクティーをいれましょう!」

バタバタしてるお母さんに

お菓子を渡して、エプロンを見せた。

「私もお手伝いして良いですか?」

「やぁ~ん!うちの娘は、ホントに良い子。
お父さん、唯ちゃんが一緒にしようってエプロンを持って来てくれたのよ。」

「あぁ~これ、私が悠人に渡したエプロンだ!
使ってくれて嬉しい。」

夏に服を濡らした唯の為に

先生が美香さんに頼んで買っておいてくれたの。

「相変わらず、我が家は賑やかだねぇ」

お兄さんも帰って来たみたいで、大騒ぎ。

「唯ちゃん、今日は僕とお泊まりしようね!」

「だから、帰るって言ってるだろう。」

「悠くん、このメンバーで………
しかも結婚報告となれば………帰れる訳ないでしょ。
冬休みいっぱい二人で居られるんだから、諦めなさい。」

お兄さんの言葉に

「今年の正月は、ちゃんと帰るから………
今日は勘弁して。
連日のバタバタで………唯ちゃんがバテてるから。」って。

えっ?唯の為??

「えっ?唯なら大丈夫だよ?」

唯の答えに

「だったら仕方ないわね。」

「唯ちゃんが倒れたら大変だ。」

「お正月の楽しみに取っておこうね!ショッピング。
初売りに、福袋………3人で行こう。」

「僕………一緒に寝たかったなぁ」

「後ちょっとでお正月だから我慢しろ。
唯ちゃんが倒れたら大樹も悲しいだろう?」

お父さんの説得に

「うん、分かった。」と大樹君まで納得して………

ホントに大丈夫なのに………。

「唯ちゃんの大丈夫は、幼稚園でもここでも
信用がないんだよ。」と園長先生。

「………と言う訳だから、手短にするね。」

先生が唯の横に来て

「伊藤唯さんと婚約しました。
園長と相談して……結婚は再来年の予定。
来年は……副園長になることにしたから………お願いします。」

先生のお辞儀に合わせて

「至らない点ばかりですけど………
悠人さんを支えていけるように頑張ります。
宜しくお願いします。」と言って頭を下げた。