イチゴの鍵で中に入ると、着替えもソコソコに

先生をリビングに呼んだの。

「先生!大変だよ。
結婚を決めたら無職になっちゃった。
直ぐに園長先生に電話………
あっ!お詫びの品物を何にする?
お父さんが喜んだ栗羊羮?
お酒が好きだから………アルコールの方が良い?」

すっかりテンパってる唯を膝に乗せて

「はい、1回深呼吸しようかぁ?
吸って、吐いて。」って

もう、バカにして!

ホントにそれどころじゃないのに~

拗ねる唯に

「今度は何に悩んでるの?
まぁ、大体は想像がつくけどね!」って笑ってるの。

「先生!そんな呑気な話しじゃないんだよ。
園長先生にバレちゃったから、辞めさせられちゃうんだよ!
幼稚園………行けないよ。」

ポロポロ流れる涙を拭くこともしないで

一生懸命訴えた。

「あぁ~ごめん、ごめん。
泣かせるつもりはなかったんだけど………
ちょっと待ってね。
園長に電話して、都合が良かったら来させるから。
どうせ、明日にでも結婚の報告をしようと思ってたから。」

そう言うと、自分のシャツの袖で唯の涙を拭きながら電話をし始めた。

ええっ!!どういうこと??

ここに今から、園長先生がくるの??

えっ、辞めさせられそうなんだよ??

それなのに、先生の方が呼びつけるの?

びっくりし過ぎて動けない唯に

「今から来るって。
たぶん、ご飯食べて飲むだろうから………
このまま買い出ししようか?」って

唯をヒョイっと立たせて、財布と車の鍵を取りに行く。

………………………………??……………。