「唯ちゃ~ん。
食器の箱は、テーブルに置くよ!」

「先生の服はどっちの部屋??」

「これ、重いから二人で持とう!!」




今日は、私と先生のお引っ越し。

引っ越し業者さんにお願いするつもりだったんだけど。

『唯ちゃんは、清いままお嫁に行って!!』

『ドサクサ紛れに、我が物顔で自分のものにされそう!』

『唯ちゃんの貞操の危機!』

『悪のスケベオヤジを監視する!』と。

先生いわく…………

『好き勝手ないちゃもん』をつけてって。

でも、お陰で………

引っ越しのお手伝いをしてくれることになったの。

元々は、唯と尋ちゃん

お父さんとお母さんの、思い出いっぱいのお家だったんだけど。

家族が壊れて…………手放すことになっていたの。

先生の愛情で

ここを先生と唯の新しい新居に買い取ってくれたんだけど。

それと同時に

みんなの集まる拠点になったらしいの。

今まで集まってた彩ちゃんのお家は………

洋介さんと付き合い始めた彩ちゃんに悪いから

先生がここを提供してくれることになったんだぁ。

「尋ちゃんは、自分の部屋に荷物を置いておいで。」

2ヶ月前に和也さんの籍に入った尋ちゃん。

ホントだったら、ここに荷物を置く必要はないんだけど

実家の無くなった尋ちゃんを思って

使っていた部屋は、そのまま残してくれることになったの。

これも、先生の心の広さ。

先生には、本当に感謝しかないんだ。