あなたの名前は忘れたけれど。

その後はいつも通り。

いつものように彼女は吐息を漏らし、いつものように俺は果てる。


終わった後の腕枕。

隣で寝息を立てる彼女。


そっか。


俺、当たり前だと思ってた。


コイツは俺の事が大好きで、彼氏なんて作らずに。


俺の側に居てくれるんだと思ってた。


何を根拠にそう思っていたんだろう。


俺はコイツに、一度も好きだと言った事は無いというのに。


伝わっていると思ってた。

言わなくてもわかるだろ、と思ってた。