あなたの名前は忘れたけれど。

私の表情を見られずに済んでよかった。


きっと酷い顔をしていた。


かわいい、と言われなくなるかもしれないところだった。


始まりもよく分からない私たちの別れは、これでよかったのかもしれない。


友達ではなく、身体を求め合うだけのセックスフレンドなんて。


こんな終わり方で充分なのかもしれない。


次の恋は、絶対幸せになるんだ。


泣くかもしれないけど、怒るかもしれないけど。

一緒に喜んで、一緒に笑いあって、一緒に外で手を繋いで。


いつか絶対、彼がしていた薬指に。


私も同じものを付けて、それを見て、光りに左手をかざしたらなんかして、キラキラ光らせてやるんだ。


絶対幸せになってやるんだ。