あなたの名前は忘れたけれど。

探り合う関係よりも、身体を近づけた方が距離が縮まるのはどうしてだろう。


だから私は身体を許してしまったのだろうか。

だから彼は私を求めてくれたのだろうか。


いや、きっと、私が抱かれたそうな目を彼に向けていたのかもしれない。

知らず知らずのうちに。


この関係に名前をつけるとするのなら、「セックスフレンド」がピッタリなんだろう。


またね、と見送る次の言葉を必死に飲み込んで、彼の下半身を濡らすために使ったせいでカラカラの喉を、必死に唾液で潤しながら。


かわいい


と言われるだけでは、私の心は満足しない。


好き


と伝えたら、彼はどんな表情を返すのだろう。