~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-

「何……? 封印……? 何をふざけた……」

「何度も言っているでしょう? ふざけてなどいませんよ」

 煽烙は呆れたように肩をすくめ、『未完成の賢者の石』を手に持ったまま麟紅の元へ歩み寄った。

「君の左目、決して開くことのない眼」

「何のこと……?」

 藍奈すら、理解ができていない。茜もわけがわからずただ呆然と見ている。

「君の右目は確かに糸目でした。それは誰もが認めるでしょう。しかし、その左目は糸目じゃない。完全に“ふさがっている”んですよ」

「なっ!! 何バカげたこと言ってんだ……」

「話は最後まで聞くものです。君の左目はとある魔術師によって封印が施されてあります。その中がどうなっているのか気になりませんか? 私は気になって仕方がない」

 両手を広げ、薄暗い天井を仰いだ。

「そこへまさかの朗報ですよ。君の右目に予知眼があるという話を耳にしました。そこで私はある作戦を思いついた」