~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ-

 体のどこが動かせるのか調べていると、口も動かせることがわかった。

「て、てめぇ……何しやがった……」

 煽烙は表情を変えずに、口の端だけを釣り上げた。

「攝邪呪(せつじゃじゅ)と言いましてね、動きを封じる口訣(こうけつ)ですよ」

「口訣!? じゃあ……先生まさか……仙術……道士(どうし)……?」

 悔しそうに顔を歪める藍奈の言葉を受け、煽烙の笑みはいっそう濃くなった。

「正解です。もっとも私は道士などの雑魚ではない。私は仙人なのですよ」

「ふざけやがって……!」

「ふざけてなどいませんよ。現に今こうしてあなたたちは私に手も足も出ない」

「目的は……何……?」

 煽烙は一度後ろを向き、薄青い『未完成の賢者の石』を手に取った。

「目的ねぇ……私の目的は……この『未完成の賢者の石』を使って君の封印を解くことだよ。御冠神楽麟紅君」