「わかりましたか? つまりこの第五脳研の地下が、『未完成の賢者の石』を置いておくのにちょうどよかったってわけですよ」
「ざっとこんなものですかね」と煽烙が切り、麟紅も「はぁ、」と情けのない返事で答えた。
それからしばらく歩き、何分か経った後、分かれ道にさしかかった。
「参りましたね、地図も持っていないというのに……」
「二手に分かれるか?」
「それもちょっと危険が……」
「ちょっと待ってください」
声の主は茜。前を行く全員が止まり、茜を振り返った。
茜はじっと眼を凝らし、右の道の先を見つめた。
次に左の道に顔を向ける。首を動かした時に、ピョコンと頭から狐の耳が出てきた。
もう一度右を見る。そして、恥ずかしそうに顔を上げた。
「右の道は一本道で……その先は行き止まりですぅ……」
手をもじもじさせて言う姿はとてもかわいい、が、
「夕凪、耳と、それと尻尾も見えてるぞ」
「はぅっ!!」
麟紅の指摘に、茜は慌てて頭を押さえ、次にスカートの下から覗いた頭髪と同じ茜色をしたふさふさの毛の生えた尻尾を押さえた。尾の先端が白いのが、まぁ狐らしい。朽葉が「かわいい耳と尻尾でござるな」とその尾で遊んでいる。
「夕凪さんの妖術がいいところで役に立ちましたね。それじゃあ夕凪さんの言うとおり、左に行きましょう」
煽烙が歩を進めた。
「ざっとこんなものですかね」と煽烙が切り、麟紅も「はぁ、」と情けのない返事で答えた。
それからしばらく歩き、何分か経った後、分かれ道にさしかかった。
「参りましたね、地図も持っていないというのに……」
「二手に分かれるか?」
「それもちょっと危険が……」
「ちょっと待ってください」
声の主は茜。前を行く全員が止まり、茜を振り返った。
茜はじっと眼を凝らし、右の道の先を見つめた。
次に左の道に顔を向ける。首を動かした時に、ピョコンと頭から狐の耳が出てきた。
もう一度右を見る。そして、恥ずかしそうに顔を上げた。
「右の道は一本道で……その先は行き止まりですぅ……」
手をもじもじさせて言う姿はとてもかわいい、が、
「夕凪、耳と、それと尻尾も見えてるぞ」
「はぅっ!!」
麟紅の指摘に、茜は慌てて頭を押さえ、次にスカートの下から覗いた頭髪と同じ茜色をしたふさふさの毛の生えた尻尾を押さえた。尾の先端が白いのが、まぁ狐らしい。朽葉が「かわいい耳と尻尾でござるな」とその尾で遊んでいる。
「夕凪さんの妖術がいいところで役に立ちましたね。それじゃあ夕凪さんの言うとおり、左に行きましょう」
煽烙が歩を進めた。

