第五脳研は、『精神、及び脳科学研究センター』の七つの研究所のうちの一つである。麟紅は詳しいことを知らないが、第一脳研が『神鳴大学病院脳外科』、第二が『神鳴学園精神医療センター』というところまでは知っている。
第五脳研では、主に中枢神経と感覚神経、運動神経について研究している機関である。例えば低下した視力を回復させる、例えば先天的に聴力に不自由がある人を音が聞こえるように治療する、そういった研究をしている場所であるそうだ。
研究所の中はどこかの有名なオフィスビルのエントランスのようだ(茜の感想より)。徹底的に掃除がなされているようで、塵一つ落ちている気配はない。ここで研究をしている大学部の生徒や教授らが忙(せわ)しくあちこち動き回っている。
麟紅らはエレベーターへと乗り込み、五階に昇った。
「地下じゃないのか?」
麟紅は隣に立っているカーキーに尋ねた。カーキーは視線を動かさないまま問いに答えた。
「よく考えれば単純なことだ。大事なもんは簡単に見つかったら困るだろ? 普通に一階から地下に降りんのは当たりめぇの発想だが、人はまさか五階からしか地下に行けないとは思わねぇだろ?」
なるほど、よく考えてある。
第五脳研では、主に中枢神経と感覚神経、運動神経について研究している機関である。例えば低下した視力を回復させる、例えば先天的に聴力に不自由がある人を音が聞こえるように治療する、そういった研究をしている場所であるそうだ。
研究所の中はどこかの有名なオフィスビルのエントランスのようだ(茜の感想より)。徹底的に掃除がなされているようで、塵一つ落ちている気配はない。ここで研究をしている大学部の生徒や教授らが忙(せわ)しくあちこち動き回っている。
麟紅らはエレベーターへと乗り込み、五階に昇った。
「地下じゃないのか?」
麟紅は隣に立っているカーキーに尋ねた。カーキーは視線を動かさないまま問いに答えた。
「よく考えれば単純なことだ。大事なもんは簡単に見つかったら困るだろ? 普通に一階から地下に降りんのは当たりめぇの発想だが、人はまさか五階からしか地下に行けないとは思わねぇだろ?」
なるほど、よく考えてある。

