「ほぉ、これは」
「なかなかいい香りでござるな」
「ほんと、とってもいい香りがしますね」
カーキー、朽葉、あかねの順で感嘆の声が漏れた。紫音の入れた紅茶を、事務所内で飲んでいるのだ。
そこからさらに麟紅が続ける。
「さすがは紫音。俺の妹なだけはある」
「そうゆーのをシスコンってゆーんやないっけ?」
「ふん、少しはやるようね……って違う!!」
突然大声を上げて立ち上がった藍奈に驚いたのは茜と紫音だけだった。
「何が違うんねん」
「わたしはまだそのなんとかの翼に入るなんて一言も言ってない! 御冠神楽! あんたもそうでしょ!!」
顔を真っ赤にして藍奈は言った。吠えた、のほうが正しいかもしれない。
唐突に話を振られた麟紅は、しかし至って冷静に、
「<黄昏の翼>ね。なんか流れ的にそうゆー流れだろ。紫音も入るつもりみたいだし」
「はい! 兄さんももちろん入りますよね!」
「いや、俺魔法使えない……」と麟紅がカップ片手に手を振ると、常磐が「予知眼だけで十分使えてるって」と口を挟んできた。藍奈の顔がさらに真っ赤に染まるのが横目で伺える。
「勝手に話を進めるなぁ――――!!」
またしても驚き飛び上がったのは茜と紫音だけ。他は静かに紅茶をすすっていた。
「なかなかいい香りでござるな」
「ほんと、とってもいい香りがしますね」
カーキー、朽葉、あかねの順で感嘆の声が漏れた。紫音の入れた紅茶を、事務所内で飲んでいるのだ。
そこからさらに麟紅が続ける。
「さすがは紫音。俺の妹なだけはある」
「そうゆーのをシスコンってゆーんやないっけ?」
「ふん、少しはやるようね……って違う!!」
突然大声を上げて立ち上がった藍奈に驚いたのは茜と紫音だけだった。
「何が違うんねん」
「わたしはまだそのなんとかの翼に入るなんて一言も言ってない! 御冠神楽! あんたもそうでしょ!!」
顔を真っ赤にして藍奈は言った。吠えた、のほうが正しいかもしれない。
唐突に話を振られた麟紅は、しかし至って冷静に、
「<黄昏の翼>ね。なんか流れ的にそうゆー流れだろ。紫音も入るつもりみたいだし」
「はい! 兄さんももちろん入りますよね!」
「いや、俺魔法使えない……」と麟紅がカップ片手に手を振ると、常磐が「予知眼だけで十分使えてるって」と口を挟んできた。藍奈の顔がさらに真っ赤に染まるのが横目で伺える。
「勝手に話を進めるなぁ――――!!」
またしても驚き飛び上がったのは茜と紫音だけ。他は静かに紅茶をすすっていた。

