「……ってこと、まぁそんなところか」
茜の正体を知ったあたりから紫音が来たところまで、あらかた説明すると十五分ほどかかった。
常磐はひと唸りした後、口を開いた。
「ひとつ、おかしいんよな」
「? 何が?」
「“眠ってる夕凪さんを起こそうとしたとき、視界がぼやけて狐が見えた”ってな?」
ちらっと視線を麟紅に向けてきた。麟紅は一応自分の記憶を確認してから「あぁあうぁん」とよくわからないあいまいな返事を返した。実際自分も何をしたのかよくわかっていないから。
「それだとおかしいんや」
「何よ。もったいぶってないで簡潔に話しなさい」
今度は藍奈が口を挟んできた。常磐は参ったように頭を掻いた。
「そんな能力、わいが知っとる予知眼の能力にはなかったで」
「どう……いう……ことで、すか? 金土師くん……」
「う~ん、予知眼の能力は呼んで字のごとく未来予知、それだけのはずや」
「あんたが知らない能力でもあったんじゃないの?」
「いやぁ、でもこれ実際に予知眼を持ってた人が書いた文献にも書かれたことやから正しいはずなんやけどなぁ……」
「どうでもいいさ」
唸る常磐を手で制して、麟紅はベッドに横になった。
「いきなり魔法使いがどうとか聞かされて俺もちょいと疲れてんだ、寝かせてくんねぇか」
「ちょ――――っと待った――――!!」
扉の向こうの大声に麟紅、茜、藍奈、紫音の四人は飛びあがった。そして間髪いれずに勢いよく扉が開かれた。
そこに立っていたのは枯草色の髪を有した男と、大柄で頭にバンダナを巻いた男、茶色のショートカットの女の三人組。
茜の正体を知ったあたりから紫音が来たところまで、あらかた説明すると十五分ほどかかった。
常磐はひと唸りした後、口を開いた。
「ひとつ、おかしいんよな」
「? 何が?」
「“眠ってる夕凪さんを起こそうとしたとき、視界がぼやけて狐が見えた”ってな?」
ちらっと視線を麟紅に向けてきた。麟紅は一応自分の記憶を確認してから「あぁあうぁん」とよくわからないあいまいな返事を返した。実際自分も何をしたのかよくわかっていないから。
「それだとおかしいんや」
「何よ。もったいぶってないで簡潔に話しなさい」
今度は藍奈が口を挟んできた。常磐は参ったように頭を掻いた。
「そんな能力、わいが知っとる予知眼の能力にはなかったで」
「どう……いう……ことで、すか? 金土師くん……」
「う~ん、予知眼の能力は呼んで字のごとく未来予知、それだけのはずや」
「あんたが知らない能力でもあったんじゃないの?」
「いやぁ、でもこれ実際に予知眼を持ってた人が書いた文献にも書かれたことやから正しいはずなんやけどなぁ……」
「どうでもいいさ」
唸る常磐を手で制して、麟紅はベッドに横になった。
「いきなり魔法使いがどうとか聞かされて俺もちょいと疲れてんだ、寝かせてくんねぇか」
「ちょ――――っと待った――――!!」
扉の向こうの大声に麟紅、茜、藍奈、紫音の四人は飛びあがった。そして間髪いれずに勢いよく扉が開かれた。
そこに立っていたのは枯草色の髪を有した男と、大柄で頭にバンダナを巻いた男、茶色のショートカットの女の三人組。

