全速力の二段とばしで屋上へ上がる階段を一気に駆け上る。屋上への扉を開くと、まだ春先だけあって一瞬冷たい風が頬を殴った。
周りを見渡したが、人の気配はない。ただ学園都市の景色が見えるだけだ。
扉の上にいるのかと思って少し離れてみるが、誰もいない。
「なんだ? デマかよ……」
ため息を一つつき、校舎内に戻ろうと足を出した瞬間、バタンと勢いよく扉が開かれた。
「?」
そこに立っていたのは、先ほど麟紅に「茜は屋上に」と言ったフードを被った少女。
少女はゆっくりとフードに手をかけると、そのままフードを脱いだ。
「ふぅ」
「んあ!?」
どこかで見たことのある顔だったが思い出せない。藍色の髪でツインテール、同じく藍色の釣り眼にチビのこの組み合わせは……
「もしかして……ツンデれぶぁ!!」
麟紅のちょうど目をふさぐように、少女のハイキックが繰り出された。目じゃなければパンチラが拝めたのに、とこの期に及んで馬鹿なことを考える麟紅ではある。
麟紅はそのまま吹っ飛び、扉からさらに遠ざけられた。
「目がぁ~目がぁ~!! ん何すんじゃいこのボケぐぁぁぁぁ!!」
体を起しつつ、鬼の形相で麟紅は吠えた。しかし、少女は眉一つ動かさない。
「あんた、どうやってあの半妖の正体を見破った」
聞く者が聞けば興奮しそうな声色だが、今はそんな悠長なことを考えている暇ではなさそうだ。少し、目を細める。最初から細いが。
「半妖? 何の話だ?」
「とぼけないで! あんた、わたしでも見破れなかったあの転校生の正体を見破ったでしょ!? どうやった!」
「わっけわかんねぇこと言ってんじゃねぇ! 夕凪さんのこと言ってんのか!? だったら安心しろ。俺ぁ何もしちゃいねぇよ!!」
「ウソ言うんじゃねぇ!!」
その剣幕に、一瞬腰を引いてしまったが、麟紅はすぐに調子を取り戻す。女子に口ゲンカで負けたとあっては武士の名折れである。
「あんた、一体どこの所属? いや、率直に聞くわよ。あんた、何の魔法を使うの?」
「は?」
周りを見渡したが、人の気配はない。ただ学園都市の景色が見えるだけだ。
扉の上にいるのかと思って少し離れてみるが、誰もいない。
「なんだ? デマかよ……」
ため息を一つつき、校舎内に戻ろうと足を出した瞬間、バタンと勢いよく扉が開かれた。
「?」
そこに立っていたのは、先ほど麟紅に「茜は屋上に」と言ったフードを被った少女。
少女はゆっくりとフードに手をかけると、そのままフードを脱いだ。
「ふぅ」
「んあ!?」
どこかで見たことのある顔だったが思い出せない。藍色の髪でツインテール、同じく藍色の釣り眼にチビのこの組み合わせは……
「もしかして……ツンデれぶぁ!!」
麟紅のちょうど目をふさぐように、少女のハイキックが繰り出された。目じゃなければパンチラが拝めたのに、とこの期に及んで馬鹿なことを考える麟紅ではある。
麟紅はそのまま吹っ飛び、扉からさらに遠ざけられた。
「目がぁ~目がぁ~!! ん何すんじゃいこのボケぐぁぁぁぁ!!」
体を起しつつ、鬼の形相で麟紅は吠えた。しかし、少女は眉一つ動かさない。
「あんた、どうやってあの半妖の正体を見破った」
聞く者が聞けば興奮しそうな声色だが、今はそんな悠長なことを考えている暇ではなさそうだ。少し、目を細める。最初から細いが。
「半妖? 何の話だ?」
「とぼけないで! あんた、わたしでも見破れなかったあの転校生の正体を見破ったでしょ!? どうやった!」
「わっけわかんねぇこと言ってんじゃねぇ! 夕凪さんのこと言ってんのか!? だったら安心しろ。俺ぁ何もしちゃいねぇよ!!」
「ウソ言うんじゃねぇ!!」
その剣幕に、一瞬腰を引いてしまったが、麟紅はすぐに調子を取り戻す。女子に口ゲンカで負けたとあっては武士の名折れである。
「あんた、一体どこの所属? いや、率直に聞くわよ。あんた、何の魔法を使うの?」
「は?」

