「あ……あ……あ……!!」
茜はゆっくりと立ち上がった。その顔は真っ青で、とんでもないことをしてしまったといった顔だ。
じわり、とその眼に涙が浮かんだ。そして、茜はそのまま何も言わずに教室を飛び出した。
「ちょっ!!」
慌てて麟紅もその後を追った。しかし、廊下へ出るとすでに茜の姿はなかった。なんとも素晴らしいスプリッターである。
右、左、右と向いて、廊下の少し離れたところに黒いローブを羽織り、深くフードを被った(本来ならまったくもって怪しい)少女が立っているのが見えた。
「おい、ワリィ! ちょっと今赤毛の長い髪の女の子が通ってこなかったか?」
少女はしばしの沈黙の後、フードの隙間から少しだけ見える口を動かした。
「屋上に……」
「サンキュ!!」
麟紅は再び走り出した。
茜はゆっくりと立ち上がった。その顔は真っ青で、とんでもないことをしてしまったといった顔だ。
じわり、とその眼に涙が浮かんだ。そして、茜はそのまま何も言わずに教室を飛び出した。
「ちょっ!!」
慌てて麟紅もその後を追った。しかし、廊下へ出るとすでに茜の姿はなかった。なんとも素晴らしいスプリッターである。
右、左、右と向いて、廊下の少し離れたところに黒いローブを羽織り、深くフードを被った(本来ならまったくもって怪しい)少女が立っているのが見えた。
「おい、ワリィ! ちょっと今赤毛の長い髪の女の子が通ってこなかったか?」
少女はしばしの沈黙の後、フードの隙間から少しだけ見える口を動かした。
「屋上に……」
「サンキュ!!」
麟紅は再び走り出した。

