おとねside















｢父は、松浦組の跡取りだったんですね。初めて知りました。｣














｢幸哉は、おとねがデカくなったら話すって言ってた。けどそれも叶わず逝ってしまったって事だな。｣















お父さんの秘密はこれもだったのかもしれない。















亡くなる前に良く、話がある。そう言っては濁された。















きっとお父さんは















｢きっと幸哉は、おとねさんが極道の血を引いているという事を知ったら侑翔に2度と近づかないと思ったんじゃないでしょうか？2人の恋の邪魔になる情報ならば知らない方が良いのでは、と迷っていたのだと思いますよ。｣














私が思った事を言ってくれた龍馬さん。















確かに私は知ってしまったら侑翔くんに会いたいって思ってなかったかもしれない。














｢松浦組の権力は誰よりも強いからな。あいつが、相手方に認められなかった場合、青山は潰されるだろうしな。だが、遥哉(はるや)は話が通じねぇ奴じゃねぇしな。｣














遥哉、さんとは一体……？














｢現松浦組組長、つまり、お前の叔父にあたる。｣














大和さんが教えてくれた。














｢遥哉、さん。｣














｢あぁ。遥哉を知らねぇって事はあいつ、合わせてねぇな。今度会いに行くか？いや、今呼ぼう。絶対来るぞ。あいつ。｣














えぇ？！？！ちょ、トシさん？！？！私に心の準備をっ！！














｢あぁ、遥哉の事だ飛んでくるだろうな。姪っ子に会いたいってずっとうるさかったからな。あの日から。｣