「未久さん?」
きっとあたしも彼と同じ気持ちになる日はそう遠くないのかもしれない。
けれど今はまだ早急すぎる。気持ちが追いつかない。
「…行こっか。パンプスとケーキのお礼、しなくちゃ」
だからいまはこれだけで伝わって欲しいと、願いながら彼の掌と指を強く絡ませる。
「…! …未久さんの奢りなら、肉がいいです。でっかいステーキ」
「お馬鹿、カロリーを考えろ!焼肉なら可よ」
彼も握り返してくれる、今はこれでいい。
そう自分に言い聞かす。
キラキラ輝くビジューの輝きもシトラスの薫りもそう、肯定してくれているような気がした。


