いたたまれなって、「ちょ、もう行くよ!」
と焦ったあたしが、今度は逆に彼の手を繋ぎ無理矢理出口の方へ引っ張っていく。
嫉妬僻みを含んだ視線ってあんなに怖いんだ…。
そんな事を考え先を急いでいると背後から笑い声、思わず立ち止まり聞き返す。
「何が可笑しい…」
「いやだって、手。気付きませんか?」
「……!!」
言われてみて初めて視線を掌に向ければ、手を掴んだだけのはずだったのに、指と指が絡んだ所以…。
「未久さん積極的ですね、恋人繋ぎとか」
「ちっ、違う!これはそう!違うの!」
慌てて手を離し必死になって否定を繰り返すが彼には何処吹く風。自身の掌をグーパーと広げそして不敵に笑う。まるで、何かの確信を得たように。
「さっき俺、〝彼女〟って言ったのに否定しませんでしたよね。
という事は少しは考えてくれるようになりました?」
「……」
言い淀む。そこは確かに事実であって、否定は出来ないからだ。
でもはっきり言えないのは自分自身でもまだ不明確な感情だから。


