リライト

はい、どうぞ。と準備万端、鏡の前に丁寧に揃えられたそれをあたしは重い腰を上げて足にはめて見る。たくさんのビジューで彩られたそれは照明の灯りにも反射してキラキラ輝いてまるでこれから先の道を明るく照らして前に進められる、そんなふうに映る。

「素敵…」

「お似合いです。サイズもぴったりみたい」

店長さんは満足気に足元を確認して微笑む。
あたしはあたしで、先程の言葉と靴の効果からなのかすっかり虜になりこの靴であれば明日からまた一歩踏み出す勇気が出そう、そんな気持ちが芽生えていた。

「あたしこれ買います。履いて帰ります」

鞄から財布を取り出しながら伝える。
今日手持ちあったかな、駄目ならカードでもいいや。そう思いながらガサゴソと手を動かす。

「お代はもう頂戴してますので大丈夫ですよー」

「は?」

相変わらずニコニコと綺麗な笑みで微笑む店長さんと相反して、あたしの顔はきっと口がだらし無く開いて目もまんまるくなっていることだろう。