箱から取り出されたのは、薄いピンクのローヒール。甲の周りにはキラキラとした白とピンクとエメラルドのビーズが散らばっていてそれを彩るかのように小さな花が飾られていた。
「いやあたしは…」
可愛いけれど、あたしに合わないだろうし
そこまで言えずにだんまり。下を向いてしまった。こんな素敵な物を身に纏ったとしても、あたしには無意味何じゃないかと、半ば自虐も込める。
すると、それを察した店長さんはにっこり笑ってこう続ける。
「よく言うでしょう、素敵な靴を履いていると幸せな場所に連れて行ってくれるって。
最近何か落ち込むようなことがあったのでしょう?」
「なんで…」
目が合い、やっぱり店長さんは素敵な笑顔を浮かべ靴を箱から取り出しながら会話を続ける。
「職業柄、ですかね。何となく雰囲気で。
大丈夫ですよお姉さん。良い靴を履いているとそれだけで心は晴れやかになれるし素敵な場所にも行けるし素敵な出会いもきっとありますから」


