「ぜんぜん可愛くないし、人の消しゴムに勝手にらくがきしてぇ~。」 「ははっ!」 その笑顔は反則だよ…。 ととのった顔を、くしゃっとさせて、子どもみたいに笑っている顔を見ると 昔っから怒れないんだよね…。 はぁ~あ。 心の中でため息をつきながら、消しゴムの変なキャラを、指でそっとなでてみる。 「アイツ」こと湯元 拓也(ゆもと たくや)とは、小学校からの同級生で中学3年のいま、前の席だったりする。