涙腺がゆるんできて、目の端っこに涙がうかんでくる。 「俺と高校離れちゃうの寂しい?」 からかうようにして拓也が聞いてきた。 ばか…そんなこと言われちゃうと、本当に泣いちゃうよ…。 はぁ…。呼吸を整えて、涙がこぼれないように上を向いて 出来るだけ明るい調子で答える。 「全~然さびしくないよ。」 「ははっ。ウソでも“寂しい”って言えないのかよ。」 そう言って、拓也に髪をクシャクシャにされる。 「拓也こそ寂しいんじゃないの?」 拓也と同じように、からかうようにして聞く。