風邪なんか引いてないよ 拓也のせいだよ。ばか… 「うん。なんか昨日から具合悪くて。」 「じゃあ、これやる。」 そう言って拓也がくれたのは、レモン味ののど飴。 「ありがと。」 「早く治せよ、受験生。」 「拓也もじゃん。」 「ははっ。」 えっ、ちょっ…。 拓也の手が伸びてきて、頭をくしゃっと撫でられる。 ほっぺたが、かぁっと熱くなる。 なっ、なに照れてるの、あたし!? こんなこと、いつものことじゃん!