放課後、鬼藤くんに連れられて
昨日行った廃倉庫へとやってきた。
ここの倉庫には名前がある。
avenir(アヴニール)
フランス語で未来を意味する
言葉だそうだ。
今日知った事だけど
ここにいる人達のほとんどが
学校には通ってないそうだ。
皆、それぞれ事情がある。
金銭的な余裕がなかったり
非行を繰り返し高校に通えなかったり
勉強が嫌いだから働く事を選んだり。
だけど、どんな人にも平等に未来はある。
そんな意味を込めて
この倉庫を溜まり場にしたのだと
鬼藤くんの友達の瀧澤くんに聞いた。
瀧澤「ここは美空ちゃんの
帰る場所でもあるんだから
雅來がいなくてもいつでも来てよ。」
美空「はい。」



